C言語 デバッグ完全解説

あなたは 人目のお客様です.

いやー,やっと2冊目を出せました.長かったー.

今回は,共著だ.なので,以下は筆者共通ではなく, ぼく個人の考えだと思って読んでほしい.

まあもともとバグの本を書くという話をいただいてちまちまと書いていたのだけど, こういうのってやっぱりネタ出しが大事で,じっくりと時間をかけていたら 4年近くもかかってしまった...

まあそのぶん,内容の濃い良い本が書けたと思う.

C言語のバグに焦点を置いて,ひたすらバグ,バグ,バグ,という本は 今まで無かったと思う.自画自賛になってしまうけど,そういう意味で 貴重な本になったと思う.ぜひ,いろんな人に読んでほしい.

まあバグというか「ミス」というものに関してはぼくもちょっと思うところがあって, 書きたいこともいっぱいあったのだが,「ミス」というのはホントにその本人の 心がけ次第というか,本人次第なものだよね.何度も同じミスをしても平気な人も いれば,他人のミスすらよく見ていて,自分がミスしないために活かしている人も いる.ミスをして平気な人は,大抵,ミスの重大さに気がついていないし, たまたま今日はミスしてしまった,運が悪かった,くらいにしか考えてないものだ. (ヘタすると,開きなおったり,逆ギレしたりする人も...いるとかいないとか)

しかし,ほとんどのミスは偶発的に起きるものではなく,必ずその人の癖というか, ミスするパターンがあると思う.少なくとも「単なる偶然」ということは無く, 必ず原因があるはずだ.なので,自分で意識することで,ミスは絶対に減らせる.

逆に言えば,ミスは本人が減らそうと思わなければ,絶対に減らない. これは塾の講師をしていたときに思ったことでもあるのだけれど, 例えば数学の計算問題とかでミスがやたらと多い生徒に, どんなに周りが親切に教えてあげたり,素晴らしい先生がついてあげたり (別に自分が素晴らしい先生だった,と言っているわけではないですハイ) してもダメなのだ.本人が意識を変えなければ,絶対に減るものではない.と思う. (意識を変えるように先生がリードすることで,結果的にミスを減らすことは できると思うが)

で,それは実はバグに限らず,数学の計算問題とかもそうだし, スポーツ(球技とかね)とかもそうだし,試験とか,車の運転とか, 仕事とかもそうだと思う.

ミスの多いひとというのは,ひとことで言うと,「雑」なのだと思う. で,自分も含め,やりかたが雑でミスをするというのは, ぼくはすっっっごく嫌いなことだ.だってそれって無駄この上ないじゃん!

だから,自分のミスをきちんと見つめて,自分を冷静に分析できて, 自分に対して対策をとれるようになりたいし,なれればいいなあと思う. この本で一番書きたかったことはそこなのだな.

あと,この場を借りてちょっとお願いというか最近思っていること. これはべつに今回出した本に限った話ではないし, 他の本やマンガやCDについても言えることなのだけど...

「自分が好きなものは,きちんと応援してほしい」

ということだ.それも,目に見える形で応援してほしい.

まあどういうことかというと,作品をきちんと買う,良い書評など書いて盛り上げる, などということかな.小説とかマンガとか, 好きな作品ならもっと作者を褒めよう!応援しよう! (目に見える形で,ね)

作品を買うことで作者にお金が入ることも大事なのだけど, それよりも大事なのは,販売部数が増えることで,その作品は人気があるという 事実ができることだ. 人気があれば,絶版にならずにずっと出版され続けるかもしれない. 作者には次回作のチャンスが来るから,さらに素晴らしい続編が楽しめるかも しれない.作者は気力が充実して,もっともっといい作品を書けるかもしれない. 最高です!

なので,CDやDVDを違法コピーとかして喜んでいる場合じゃないです. 部数が下がれば人気が無いと判断されて絶版になるし, 次回作は出版社が書かせてくれないかもしれないし, 作者はずっと書き続けることが(経済的にというより,気力的に)できなくなってしまう かもしれない.なので,作者もファンも損をする.

まあとはいっても嘘をついてまで褒め讃える必要はないし, 嫌いなものを無理に好きと言うこともないけどね. 自分が好きな作品の範囲で,ということですな.

あと,書評を書いていただくのは非常に嬉しいしありがたいことです. 良い書評を書いていただけるのは,これはホントにありがたい.

ただ前作のときの思いとして,問題点というかまずい記述内容などがあるのならば, そーいう問題点をまとめて筆者まで送ってくれればいいのになあ,と思う. まあ必ずなおすというわけでもないのだが.

というのは,たとえば「記述の矛盾がいろいろなところにあるからこの本はダメ」 とか書評で書かれても,筆者にしてみればそれがどこなのかがわからないので, 確認のしようもないし,その批判が妥当なものなのか判断もできないし. ホントに矛盾があるとしても直しようもないのですよ. その「記述の矛盾」はいったいどこなのか教えてくれー,となるわけです. (校正はホントになんどもなんどもなんども,編集さんに嫌がられるくらいに しつこくしつこくやっているのだけど,自分で書いた本だと, 自分で読んでもわからないもんなのよ.400ページもあったらなおさら)

あと批判されるのも別にいいのだけれど,単に批判するのではなく,どのように したらその本がより良くなるのか,という視点で考えてくれればなあ,と思う. 主観的すぎたり,一部分しか見ていなかったり,タイトルに過剰反応したり (これってけっこう多いんだけど,タイトルって作者じゃなくて出版社側でつけたりも するものなんです.「売ろうという筆者の魂胆が見え見え」とか言われても... だいたい,売ろうなんて考えてたら,こんな内容の本ではなくて入門者向け本を 書きますがな), 本文読まずにタイトル*だけ*見てものを言ったり(ほんとにあるからビックリだ), 本の構成や体裁についてばかり言ってたり(それより内容について触れてくれ), 減点法で評価するのもちょっと... うーん...まあ,まずは良いところを,「良い」と言ってほしいなあと思う. そーいうのが次回作への活力になるからねえ... (今回の本はモノがモノだけに,批判もいろいろ出るんだろうなあ...と思っている)

コンピュータ関係に関しては,専門書籍は英語の訳書が多く,どうしても英語圏が 優勢な状態だ.実際,英語の専門書くらい普通に読めなければ話にならない.

しかしだからといって,なんでもかんでも海外ものばかりありがたがって, お尻を追いかけっぱなしなのも問題だ.ていうかそれじゃダメだ. ということで,なんとか国産の良質の専門書を出すことで, 日本のコンピュータ技術の発展に(及ばずながら)力になれればなあ. そんな思いでぼくは本を書いている. (ここで「お前ひとりがそんなことしても何も変わらないよ」なんてくだらないことを 言うやつはパンチだ!)

専門書を書くことは,その労力から考えると,ぜんぜん割に合わない作業だ. お金がほしいならば,本なんぞ書いていないでその時間で残業でもバイトでも したほうが,よっぽど確実に儲かります(これは本当です.一度試しに時給を計算して みましたが,計算したことを後悔するぐらいトホホな金額になりました).

本を書くというのは,天塩にかければかけるほど,時給は安くなるんです.

だってどんなに手をかけて品質を上げても,1冊書いての収入はあまり 変わんないからね. そしてその収入は,印税として支払われるので基本的に後払いだ. たとえば書くのに4年かかったら,最初の頃の労働の対価が得られるのは4年後と いうことだ.時給がトホホで,支払いは4年後なんていうバイトがあったところで, やる気になるだろうか? それでもなんで天塩にかけて採算度外視で書くかというと, 上に書いたようないろんな思いがあるからだ.

まーそこまでずっと気を張りっぱなしだったというわけでもないような気もするが, そんな感じでいっしょうけんめい書かれた本だと思って読んでいただければ幸いです.


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