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目次(秀和システムの書籍案内ページ)

どんな本なのか?

アセンブラ・リーディングの本です.とはいってもCPUの難しいドキュメントなどに 頼るのではなく,フィーリングで気軽に読んでみよう,という本です.
「アセンブラをフィーリングでなんとなく読む方法」を説明している本です.

アセンブラの文法や命令一覧などを説明するのでなく, C言語のサンプルプログラムをコンパイルすることで生成されるアセンブラを見て, サンプルとアセンブラを照らし合わせて,命令の意味を推理しながら読んでいきます. つまり「理論→実践」という順番で読むのではなく,読解をベースとして, 現物主義で読んでいきます.第1章を読んでいただければ,だいたいどんな感じで 読んでいくのかがわかるかと思います.

英語の小説を読むときに,わからない文法や単語をすべてピックアップしてから 文法書と辞書で全部ガッチリと調べて,予習してから読むのでは,たぶん途中で 挫折します.っていうかやっててつまらないです. そういう読み方をするのではなく,まずはその小説を開いてみて,わからなくても 気にせずに,文法や単語の意味を推測しながら勘とフィーリングで「なんとなく」 読んでいくような,そんな感じでアセンブラを読む方法を説明します.

アセンブラを読むときに,CPUのぶ厚いドキュメントに頼らなくてもなんとなく 読めるようになる,そんな方法を説明します.実は筆者のアセンブラの読み方が, そんな感じなのです.(CPUのドキュメントとか,あまり読まずにいきなり読むんです)

ページ数が非常に多いのですが…

1164ページと分量が多く,非常にぶ厚い本です.

全部を先頭から順番に通して読破するという読み方だとなかなかたいへんでしょうし, それがたいへんなので結局読まれない,というのでは筆者も残念です.きちんと通して 読むのではなく,目次をザッと見て読みたいところからつまみ読みで読んで, 全体の半分程度も読めば元は取れたのでまあいいか,という軽い感じで読むのが いいかと思います.

第1部でアセンブラの読みかたを説明してあります.で,第2部〜第5部はそれを利用 した応用で,それぞれ独立した内容です.なので第1部を読めば(もしくは第1部の内容 がだいたい知っていることならば),第2部〜第5部は第2部から順番に読まなくても, 読みたい部から読めると思います.

とくに第2部と第4部はさまざまなCPUの説明で,CPUごとにつまみ読みで読めます ので,「気が向いたCPUから」「思い立ったCPUだけ」読めばいいでしょう. また第3部と第5部は(筆者的にはものすごく面白いと思いますが)興味がなければ とくに読まなくてもいいでしょう.そう考えるととても気軽に読み始められるかと 思いますので,1000ページ以上を読破すると考えると気が重いなあというかたは, ぜひそういうふうに読んでみてもらいたいです.

また,そういうふうにいきなり途中から読んでもそれなりに読めるように, 以前に説明したことが関連する場合には,可能な限りページ参照 (「これこれについてはp.XXを参照」といった説明)を入れて,途中からでも遡って 説明を読めるようにしてあります.

1164ページもありますが4600円とページ単価は非常に安いので,読みたいところだけ 500ページも読めば十分に元は取れるかと思います(普通の技術書は,300ページくらいで 3500円とかが相場なので).

ぶ厚いエッセイ集で,いっぱい話が入っているのでお得!読みたいところだけ 読めばいいや!くらいの感じで考えていただければと思います. もちろん筆者としては全部読んでいただければすごく嬉しいですが,それがたいへん なので結局読まれないというのではさびしいので,むしろあまり気負わずに, それくらいの軽い気持で読んでいただければと思います.

あと技術書というよりも,「見てみたら,こうだった」「試してみたら,こうなった」 みたいに読みモノっぽく書いてあるので,ライトな感じで読んでいけるかと思います. ページ数は多くても,内容はあまり重くないと思います.

50種類のアセンブラを扱います

様々なCPUのアセンブラを比較しながら読んでいきます.扱うアセンブラの種類は 50種類にものぼります.

これは同じ働きをするアセンブラを違うCPUで見て比較することで,さらに理解が 深まると思うからです.他と比較することで,CPUのある性質がそのCPU特有の性質 (要するに,癖)なのか,それとも多くのCPUに共通する根源的な性質 (要するに,CPUの本質)なのかがわかるからです.

あと,そのほうがいろいろ読めて面白くて,読むことのモチベーションがさらに 高まるからです.PCのアセンブラだけじゃなくて,ワークステーション用CPUとか 組込み用マイコンとか8ビットCPUとか,他にもいろいろ読めたほうが面白いじゃあ ないですか.

「熱血!アセンブラ入門」との関係は?

「大熱血!アセンブラ入門」は「熱血!アセンブラ入門」の増補改訂版です. ただし,内容は大幅に追加されています.

旧作の内容(第1部〜第3部)は減らさずに内容追加に合わせた修正や誤記修正などを 行って改訂しています.さらに第4部と第5部として,以下の内容を追加しています.

旧作をすでに読んだかたが新たに購入してももったいないことにならないように, 追加の章を充実させることに力を注ぎました. 旧作をすでに読んだかたにも満足していただければ幸いです.

旧作からの引き継ぎ部分しか読まないならば,旧作の「熱血!」を読めば十分ですか?

「大熱血!」は旧作である「熱血!」の内容(第1部〜第3部)のすべてと, さらに追加で第4部〜第5部までを拡充しています. なので上位互換みたいな感じです.

第1部〜第3部に関しては「熱血!」の内容を引き継いでいますが,たとえその部分 しか読まないとしても,今から読むならば「大熱血!」のほうをおすすめします.

というのは第1部〜第3部の内容を引き継いではいるのですが,まず「熱血!」の 紙版から電子書籍版のときに,大きな修正を数箇所と,細かい修正もいくつか入れて います.さらに「熱血!」の電子書籍版から「大熱血!」のときに,細かい記述の ミスや誤植,わかりにくい表現などを直したり,古い内容を新しくしたりなど, 細かい修正をいろいろ入れています.

基本的に大きな修正箇所や記述の誤り(論理的に間違っている箇所)は正誤などで公開 していますが,わかりにくい表現の修正などは,いちいち公開していません.そういう 細かい修正も,新しくなる都度にいろいろ入っています.

要するに後になればなるほど,書籍としての品質と完成度は上がっています. 論理的な記述誤りやわかりにくい文章のために,無駄に悩まされたりすることも 少なくなっていると思います.

なので今から読むならば,筆者としてはフツーに「大熱血!」のほうをおすすめ します.少なくとも,旧作の(とくに,紙版の)「熱血!」のほうをあえて進んで 選んで読むような理由はとくにありません.


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